1月22日  箒職人おすすめ 箒の使い方①     ほうきの豆知識   

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


突然ですが、普段のお掃除で意識していることはありますでしょうか。
道具の選び方や使い方をちょっと意識するだけで、時間を短縮できたり、ストレスなく汚れを片付けることができます。

箒の事となると熱くなってしまい、内容も長くなってしまうかも知れませんが、どうぞ最後までお付き合いいただけたら幸いです。

・ほうきの選び方


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
一言で箒と言っても色々な種類の箒があり、悩みどころです。

第1回目である今回は、家の中での使用に適した箒を紹介したいと思います。

フローリングや畳などの掃除


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ほうき草が原料の座敷ほうき

天然素材の原料ですが、素材から出る垢がなく室内でも安心してご利用いただけます。
イメージ的には畳で使用するイメージが強いかと思いますが、フローリングや板の間でも大活躍です。適度なコシがありながらも穂先が柔らかいのが特徴で、ご使用の際は畳やフローリングの目に沿って優しく掃いていただくと、接地面を傷つけることなく掃除することができます。


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棕櫚(シュロ)が原料の棕櫚ほうき

座敷ほうきに比べコシが弱く、ゆったりとした掃き心地が特徴です。例えるならば、書道の筆で床をなぞっているような感覚です。座敷ほうきよりも細かな埃を掃き集める能力が高い箒となります。天然素材である棕櫚から出る自然な油が、フローリングや畳にツヤを与えてくれます。
一点注意が必要で、使い始めに少し穂から素材の垢が粉のように落ちます。通常は使い始めから一週間程度で収まりますが、気になる方は事前に屋外や広げた新聞紙などの上で箒を軽く叩いて垢を落としていただくことで解決できます。

長柄ほうき・短柄ほうきの使い分け


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長柄ほうき


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短柄ほうき

長柄と短柄については、主に使用する面積と保管場所によって選ぶ必要があります。短柄の方が小回りが利き、狭い場所やちょっとしたお掃除に適しております。また保管の際も長柄に比べ、高さ方向に省スペースで収納することができます。しかし、腰をかがめて掃除をする必要があり、長時間や広い面積の掃除には不向きです。一方で長柄は、柄を両手で持ち、腰をかがめずに掃くことができますので広い面積の掃除でも疲労が少なく済みます。

適材適所で様々な場面でほうきを使い分けることができれば一番よいのですが、保管スペースの兼ね合いなどからなかなか難しいところがあるかと思います。絶対これで無ければダメと言うことでもないので、私が述べたことは参考程度にとらえていただき、皆さまの生活(掃除の時間)に少しでもお役に立てればと考えております。

まだまだお伝えしたいことはあるのですが、あまり長くなってしまってもまとまりませんので今回はこのぐらいにしておきます。次回は家の中でも、もう少し違う場所にスポットを当てておすすめの箒を紹介したいと思います。