1月21日    良質な箒草を求めて④    ほうき草栽培   

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


今年のほうき草栽培計画を練るにあたり、今一度、過去の栽培経験から培った重要なポイントを洗い出してみました。
大きく分けて4つのポイントがあり、今回は4つ目のポイントを紹介いたします。

④収穫方法の検討


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
脱穀前の様子
収穫したその日の内に全ての種を脱穀します。

ほうき草の収穫は例年7月の中旬~下旬にかけておこなわれます。
早朝、夜明けとともに畑に入り収穫した箒草は、その日の内に脱穀機で全ての種を取り除く必要があります。
※なるべく早く脱穀しないと穂の部分にこもった熱で穂が変色したり、刈り取ったことで種に栄養を運ぶ動きが強くなり(穂から栄養が吸い取られ)、穂先が固くなってしまいます。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
脱穀作業の様子

収穫の日は人員を多く配置し、人海戦術での作業となります。それでも15~20アールの畑を収穫、脱穀し終えるのに12時間ほど掛かってしまいます。どうしても時間との勝負になってしまい、作業が雑になってしまっていると感じております。

そこで今年は、収穫作業を1週間の内に何日かに分割し、1日ごとの収穫量(作業量)を減らすことにより、より丁寧にほうき草を扱えるよう時間配分してみようと考えております。せっかく収穫できても穂の質が落ちてしまったり、使えないほうき草が増えてしまっては意味が無くなってしまいます。
まずは納得できる質を突き詰め、その上で効率化を図っていきたいと思います。

今回まで4回に渡って伊藤が考える箒草栽培のポイントと、今年の意気込みを発信させていただきました。四季のある日本では年に1回しか栽培できないほうき草、毎年「今年も上手く育つかな?」と不安になりますが、毎年続けてチャレンジできることに感謝し、今年も精一杯取り組んでまいります。