1月28日   新しい手法を試してみました     吾妻箒    

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


先日のブログでも発信しましたが、今年のほうき草栽培は密植栽培にチャレンジし、小ぶりな大きさ(太さ)のほうき草作りを目指します。
とは言え、もし今年も大ぶりに生長した場合は、そちらの使い道も考えなければなりません。
そこで、ちょっとした閃きを試してみることにしました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
茎の部分を二つに割いた様子

通常は長柄(両手で持って掃くタイプの箒)用に使用する太めのほうき草を使用し、短柄(片手で持って掃くタイプの箒)の編込みで使えるよう、茎を二つに割いてみました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
穂の部分は1本分まるまる残し、茎のみ半分に割きました。

茎の部分を半分にすることにより重さを軽減し、合わせてほうき草を扱いやすくすることで、コンパクトな作りにすることが狙いです。
早速、耳と呼ばれるパーツを軽量化したほうき草で編んでみました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
耳を編み込んだ様子

少し力加減を抑え、注意しながらの編込みとなりましたが、編込み作業そのものは問題なくできそうです。それと同時に早速(?)、課題も見つかりました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
編込み部分の拡大です。

茎を半分に割いたことにより、通常丸みを帯びている茎が平になってしまいます。そのことによりほうき草どうしの収まりが悪くなり、ほうき草の表面(外側から見える部分)が写真の矢印のようにちぐはぐな向きになってしまいました。

上手くいけば仕上がり自体はコンパクトになり、確実に軽量化にも繋がる見込みはあります。課題を解決し、新たな手法として確立できるようチャレンジしていきたいと思います。