3月15日    納得できる箒を目指して    吾妻箒 

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


以前、少し紹介させていただきました外まわり用の吾妻箒の進行状況を紹介します。
目指す形は決まっていて、開発サンプルでのテストを続けていましたがどうしても納得できず、今なお試作を繰り返しています。
開発コンセプトとして、穂にボリュームを持たせ、ゆったりとした掃き心地を追究していますが、穂にボリュームを持たせることで重量感が出てしまい、上質な掃き心地と扱いやすさのバランスが保てませんでした。
何度かの改良を繰り返し、ようやく光明が差して参りましたので、今回は改良した点を少し紹介します。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
改良前の長柄ほうきサンプル


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
改良後の長柄ほうきサンプル

写真では少し分かりづらいのですが、赤い四角部分が改良のポイントとなります。改良前に比べ、1つ1つの玉(束)を小さめ作っています。軽量化を図るため、穂の中に仕込んだパーツをより細くしました。ちょっとした点ですが、全体で100~120gほどの軽量化に成功しており、掃き心地と扱いやすい重量の一番良いバランスが実現できたのではないかと思います。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
改良後の短柄ほうきサンプル

同様に、短柄と呼ばれる柄の短いタイプも改良サンプルを作成しました。こちらも軽量化には成功しましたが、穂の掃き幅が思いのほか狭くなってしまい、納得できていません。

穂のボリューム感による上質な掃き心地と扱いやすい重量、相反するような2点のどちらも納得できるよう追求してまいります。