「編み込む際、穂の向きにも気を付けています。穂はよく見ると、必ずどちらかに曲がっています。それを見極め、箒の内側に向くように編み込みます。外側を向いてしまうとはねてしまいます」
箒はいくつかのほうき草の束(編み玉や中玉のこと、専門用語で「玉」と呼ばれています)を連ねて編み上げられていますが、
「それぞれのほうき草の束の位置によって、芯の入れ方が異なります。箒の両側のほうき草の束には穂を全体にぐるりと被せるので芯は少なめ、中央部分のほうき草の束には芯を多めにするとバランスが良くなります」

穂先がないものが芯です。ほうき草の茎を芯に流用します。



芯の入れ具合で掃きやすさが変わります。全体のバランスにも大きく影響します。


それぞれの玉を合わせ、編み上げる。

穂をすき、穂を整える。

穂先をカットする。

完成です。
より良い箒作りを目指している鈴木氏らしい発言のあと、今後の抱負を聞いてみました。
「状況が許されるなら、作り方を伝えていきたいですね」
日本の伝統をつなげることが我々の共通の目標。一緒に歩んでいきたいと心から思いました。