こんにちは。今年も半田畑を担当する山下です。どうぞよろしくお願いいたします。
5月20日の夜、畑を管理してくださっているT氏から電話があり、「22日は雨が降りそうなので、種まきは明日(21日)の午後にしようか」とのこと。
「時間あるの?」というT氏に対し、「だいたい暇ですから」と即答。
T氏のやさしさが、何とも嬉しく思えます。

半田畑に足を踏み入れると、時間の流れが少しゆったりしているのに気づきます。
普段は気にも留めない土の香りを思いきり吸い込みながら、30cm間隔でほうき草の種をまいていきます。
「今年は一粒ずつ蒔いてみよう」
例年は発芽しないリスクを避けるため、一カ所に三粒ほどまいていましたが、今年はあえて一粒に。発芽後のほうき草の“伸び”を優先することにしました。
「発芽しなければ、また蒔けばいいし」
そんなやりとりをしながら、『まぼろしの邪馬台国』の著者、宮崎康平氏の逸話を思い出しました。
失明していた宮崎氏がバスに乗ろうとしたときのこと。
人々が殺到し、押し出されそうになった宮崎氏を友人が助け、友人が宮崎氏にこう語ったそうです。
俺たちは歩こう。
今、日本中の者が乗り遅れまいと、先を争ってバスに乗っとる。
無理して乗るほどのこともあるまい。
俺たちは歩こう。(※1)
一つ一つ丁寧に種まきをし、3時間ほどで終了。
今回もほうき草に加えて、「紅あずま(さつまいも)」も育てていきます。


今年の畑も、楽しみです。
※1 城山三郎著「打たれ強く生きる」より引用。