9月9日、本日は半田畑で収穫したほうき草の選別作業を行いました。
選別作業は1本1本確認しながら行う為、時間がかかる作業ですが、良い手編み箒を作るためには、一切妥協ができない作業です。
作業は大きく二段階あります。
先にほうき草の状態を見ながら、「ほうきのどの部分(芯・被せ)に使うか」で分け、その後長さによって短柄用、長柄用、ハンドブラシ用と「どのほうきに使うか」で分けます。
こちらが本日選別を行う、半田畑で収穫したほうき草です。
1.ほうきのどの部分に使うかの選別
まずは、ガリ芯(※1)の有無、穂首の位置、茎の長さを確認しながら、被せ草(※2)として使用できるほうき草と、芯草(※3)として使用するほうき草に選別していきます。
ガリ芯があるものについては、脱穀後にガリ芯を取り除いており、穂の量が少ないため、芯草として仕分けていきます。
次に穂首の位置を確認します。右側のほうき草は穂首の位置が、穂の根本付近にあるのに対し、左側のほうき草は穂首の位置が、穂の根元から5㎝程下の位置にあります。穂首から穂の根元までの茎がガリ芯の様に硬くなっており、編むと折れてしまうため、こちらも芯草として仕分けていきます。
※1ガリ芯:太く折れやすい穂のこと。
※2被せ草:ほうきの外側に当たる部分に使用する草。見栄えが良く、比較的柔らかい草を使用する。
※3芯草:ほうきの芯に当たる部分に使用する草。
次に茎の長さを確認していきます。
茎の長さは短くても30㎝程ほしいところですが、こちらのほうき草は20㎝程しかありません。
うまく編み込むことができれば、被せ草として使用できるかもしれませんが、そこまでの技術がないため、芯草として仕分けて行きます。
こちらが選別後のほうき草です。左から被せ草、芯草、茎が短いほうき草です。
比率としては、4:4:2といったところでしょうか。被せ草と芯草の比率は、7:3が理想ですが、今年のほうき草は猛暑の影響か、穂首が穂の根元から離れているものが多く、芯草の比率が多くなっておりました。
2.どのほうきに使うかの選別
続いて穂の長さごとに選別し、長柄用、短柄用、ハンドブラシ用に分けていきます。
選別に使用していた治具は、今年は基準を見直して作り直してみました。昨年は短柄ほうきを編む際に若干穂が長く、穂先を切りそろえる際に10㎝程カットすることが多かったためです。
穂の根本を一番手前に合わせ、仕分けていきます。
下記の画像のほうき草は長柄の範囲に入っていますが、穂先が揃っているのが短柄の範囲にあるため、短柄用として使用します。治具のラインだけでなく、感覚を優先することもあるため、ラインが絶対というわけではないのです(笑)。
選別作業が終わりました。
浜北畑で収穫したほうき草は、穂が短く、短柄、長柄に使用できるものはあまりなさそうなので、半田畑で収穫した短柄用と長柄用のほうき草は貴重です。大切に使用したいと思います。
今年は、ハンドブラシ用のほうき草が多く収穫できたので、ハンドブラシ用のほうき草を使用して、短柄の手編み箒を作ってみようと思います。