久しぶりにお蕎麦でも食べようか、ということになり、お気に入りのお蕎麦屋さんに行ってきました。実はこのお蕎麦屋さん、ほうき草の栽培をしている半田畑の近くにあります。
お蕎麦とほうき草には意外な共通点があり、お蕎麦にしてもほうき草にしても、江戸時代に広がり定着し、今なお親しまれています。それに、どちらもちょっとしたこだわりを持つ方が多いという点も似ています。
以前ある新聞のコラムで、「君はつまらない蕎麦の食べ方をするねえ」というものがあり、そこではなかなか粋な食べ方が紹介されていました。
まずは何もつけずに蕎麦の味を楽しみ、その後つゆにつけて蕎麦をすすります。このとき薬味を一切入れず、つゆだけですするのがポイントで、ちょっと味わった後、薬味を入れてすすると、薬味の深い味わいがぷんぷんに広がります。わさびの出番はこのあとで、わさびをちょいとつまんで蕎麦にのせ、わさびがつゆに浸からないようにして口に入れると、つゆとわさびのコラボが鼻孔を突き抜け、味に加えて香りを堪能できます。
そこではお蕎麦のフルコースである、と意気揚々に書かれていました。
箒もそうで、ほうき草の長さや太さで随分と掃き心地が変わりますし、ほうきの掃き方次第でホコリの立ち方も全く異なります。それこそ話し出したらきりがありません。
でも悲しいかな、こんなこだわり話をしたところで、「はいはい」と言われる確率が高いので、人にはあまり言わない方がいいという共通点もありますが。
そんなこんなでお蕎麦を食べたあと半田畑をのぞきましたが、すくすくとほうき草は育っていました。