10月25日  来年の栽培に向けて  浜北畑    ほうき草栽培   

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


ここ最近は箒作りに励む日々が続いておりましたが、この日は浜北農家の倉田様を訪ね、今年のほうき草の出来栄えと来年に向けての課題について意見交換させていただきました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
先日からご紹介しているほうき草の太さについて相談しました。

伊藤「今年は昨年に比べ、天候にも恵まれ良いタイミングで収穫することができました。穂の色も変色がなく青々とキレイです」

倉田様「収穫は8月上旬でしたね。ちょうど収穫後から2週間ほど雨が続きましたので、今年は運が良かったですね」

伊藤「全体的には上手く育ってくれたかなと思うのですが、1点気になることがあります」

~穂の太さのバラつきについて説明し考えられる要因をお聞きしました~

倉田様「ほうき草に当てはまるか分かりませんが、野菜でも時折、一部分だけ規格外の大きさに育ったりすることがあります。原種戻りなどと言われ、品種改良が進んだ種や苗の中で突如として現れます。今後は求めるサイズの苗から種を採種するなど工夫が必要かも知れませんね」
倉田様「また、原因が1つとは限りません。栄養を与え過ぎて全体的に大きく育っている可能性もありますし、栄養が足りず周りのほうき草が枯れてしまったことにより1本に栄養が集中してしまい一部だけ大きく育つケースもあります。大切なのは全体的にそういった傾向なのか、ある一部だけなのか、など広く色々な視点から観察することです」

プロならではの視点でアドバイスをいただき、改めて気が引き締まりました。さすがに奥が深いです。苗や種の時点で最終的な生育に影響が出ることは盲点でした。まずはできることから1つずつ要因を潰していきたいと思います。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
帰りがけに今年お借りした畑に寄っていきました。
ほうき草を栽培していた頃とガラッと変わり、立派なキャベツが育っておりました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
収穫まではまだもう少しと言ったところでしょうか。
キレイな畑に丁寧な仕事の様子がうかがえます。

倉田様から適格なご意見もいただき、来年にむけてやるべき事も明確になりました。実験的に試したい栽培方法はいくつかありますが、一度に色々と手をつけると何が良くて、何が悪かったのか掴むことはできません。一歩一歩地道な取り組みは続きますが、簡単ではない道のりほど達成した時の喜びもひとしおかと思います。納得できるほうき草の栽培が確立できるよう突きつめて参ります。