こんにちは、製造部・箒職人の渥原です。

以前のブログ記事で、ほうき草は廃棄するところが少ないことを、お伝えしました。

短柄や長柄を製作する際に廃棄するのは、穂先を揃える為にカットした穂の先端のみです。
ハンドブラシ作りでは、違った部分を廃棄しています。

今回は、その様子をお伝えします。


今回はこちらの、ハンドブラシの芯草用として選別しておいたほうき草を使用します。
穂の長さは20㎝程度あります。

ほうき草は収穫後、過去の箒作りの経験から手作りの治具を作成し、一本一本目的別に選別してあります。
昨年選別した際の写真です。

手作りの治具。長⁼「長柄用」、短⁼「短柄用」、ハンド⁼「ハンド用」

昨年収穫分は例年と比べハンドブラシ用が多かった

さて、ハンドブラシの製作を始めます。

まずは、穂首(※1)でカットし、穂と茎に分けます。茎はガラ(※2)や、ハンドブラシの柄として活用します。
穂は、穂先側で揃え、長さの長いものと、短いものに分けます。

短柄は穂首を揃えて編み、穂先をカットし長さを揃えて仕上げます。しかし同じようにハンドブラシを作ると、非常に掃き心地が硬い、ブラシのような箒になってしまいます。その為、ハンドブラシ製作においては、私はあえてしなやかな穂先側で長さを揃えるようにしています。

以下が選別後の写真です。穂が短いものも、小さなハンドブラシに使用します。
このなかで、廃棄するのは、穂首と、短すぎる穂だけです。

左上:短めの穂、左下:長めの穂、右:穂首と短すぎる穂

※1 穂首…画像参照
※2 ガラ…手編みほうきを作る際に芯の周りに巻き付ける、ほうき草の茎の部分のこと

ほうき草37本分選別を行いましたが、廃棄するのはこれだけです。

早速、選別したほうき草で新しいハンドブラシを作ってみました。

なんとなく、形になりましたが、2,3点改良が必要です。
ただ、茎を穂の周りに巻き付けることで、持った際、手になじみ易い箒になりました。
新しいハンドブラシとして、製作を続けてみようと思います。