6月28日     ここが踏ん張りどころです    コキア栽培   

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


なかなか思うように生長しないコキアに悩まされております。この日も朝まで元気だった苗が夕方には枯れてしまいました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
枯れてしまったコキアの様子


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
原因を確認するため、萎れた苗を土から抜いてみました。

観察すると、どうも根っこが食べられてしまっている様子です。写真のように茎から上は残っておりますが、根っこがほとんど残っておりません。表面上は元気に育っているように見えておりましたが、地中で蝕まれていたとは盲点でした。

改めて植物の根っこを食べる蟻がいるかどうかインターネットで調べたところ、ここ10年ほどの間で、農作物の根や茎を食べる蟻が確認されているようでした。
蟻の名前は「トビイロシワアリ」というそうで、今回コキアを食べてしまった正体かどうかまでは掴めませんが、体長2.5㎜ほどの大きさなど特徴は似ております。
厄介なことに、現在のところ登録されている農薬は存在しないようで、蟻がつきにくい環境を作ることとコキアへ肥料を与えることでサポートするしか術が無いようです。
出来る限りのことだけはやろうと思い、一般的な蟻から防除する薬剤と化学肥料を追肥しコキアの頑張りに任せることにしました。


後日・・・


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
何とか頑張って生長している様子

大部分が枯れてしまい、残り5本ほどになってしまいましたが、残っていた株は何とか頑張っているようです。肥料が効果あったのか、30㎝ほどまで元気に生長しております。

今回、本当に「トビイロシワアリ」の仕業だったのかどうかは、まだまだ検証が必要ですが、つい10年ほど前までは、農作物や植物を食い荒らす蟻は存在しないという認識が一般的だったようです。伊藤自身も今回初めて知ることができ、勉強になりました。
また機会があれば、浜北農家の倉田さんに見解などを聞いてみたいと思います。

何はともあれ、コキアもここが踏ん張りどころです。何とか元気に生長し、秋には真っ赤な紅葉が見られるよう期待したいと思います。