5月13日    改めて気を引き締めます       吾妻箒 

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


先日、こちらの吾妻箒サイトにて箒をご購入したお客様よりこんなメールを頂戴しました。

メール原文:
「小さいほうの箒が先がばらついているのが面白くありません。見て買うのであれば絶対買いません。信用して買っているんですから文句なしの商品を送ってほしいです。安くはない商品なんですから」

正直なところ今回の件をブログで取り上げるべきか悩みましたが、何も無かったことのようにはできません。ご意見をいただいたお客様も信用(期待)しているが故のご意見かと思います。

今回、商品はそのままご使用されるとのことで、現物の確認には至りませんでしたが、考えられる状況から対策を練ることにしました。
早速、ご意見につながった可能性を探るため、在庫品の状況を確認しました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト

商品の中には一部、写真のような穂の曲がりが発生してしまう箒があります。こちらは元々原料に曲がりが出てしまっている場合や、海外生産品であれば輸入してくる際の運送状況により曲がってしまう場合があります。このような箒も含めて全て出荷前に検査し、ブラッシング作業をして穂先を整えてから、お客様に向けて発送させていただいております。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
ブラッシング作業後の様子

このような状態で発送させていただければ、ご満足していただけると考えておりました。
しかし、ブラッシング作業から3日ほど時間が経過した商品を確認してみたところ・・・


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
ブラッシング作業から3日ほど経過した同じ箒の様子

写真のように若干ですが、ブラッシング作業前の状態に戻りつつありました。これはブラッシングして整ったように見えておりましたが、穂グセ(曲がり)が強く、時間の経過とともに元の状態に少し戻ってしまったことが原因と考えられます。
もし、このような状態であれば、お客様にご満足いただけなかったことも納得です。
対策として、穂グセが強い箒は以前ブログでも紹介したように穂先にしっかりと水分を含ませたうえで、ブラッシング作業にて整えるよう改善したいと思います。

以前紹介した穂先の整え方はこちら↓↓↓
ほうき職人がおすすめする箒のお手入れ方法

今回の件につきまして、具体的な作業の改善も必要ですが、今一度お客様のご期待に応えられているか考え直す良いきっかけとなりました。もちろん今までも軽い気持ちで取り組んできた訳ではありませんが、まだまだ甘かったと反省しております。

お客様のご期待に応えられるよう、精進して参りたいと思います。引き続き、宜しくお願い致します。