12月22日    箒のお手入れ方法     豆知識 

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


2020年も残すところ数日となりました。今年はコロナの影響で、いつも以上に大掃除をする方が多いようです。かく言う私も、先日実家の大掃除に駆り出され、やや筋肉痛気味です。ただ、そこで興味深い物を見つけましたのでご紹介いたします。



箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
こちらの箒を発見しました。

母が愛用している箒で、定かではありませんが恐らく30年近くは使用しているのではないでしょうか。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト

大切に使っているようですが、長い年月の使用で穂がすり減り、穂先に隙間ができてしまっております。これではゴミが穂先をすり抜けてしまい、お掃除の負担が増えると思われます。母の負担が少しでも和らぐように、穂先の長さを切り揃え、多少の修繕を施しました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
短くなってしまった部分に合わせて、ハサミで切り揃えます。

このままでは穂が短くなってしまい、掃き心地が悪くなってしまいますので、ビニールのカバーを少しめくり、穂を束ねているミシン部分を開放することで穂先に柔らかさを取り戻します。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
矢印がミシン掛けの部分です。
このミシン糸を切断します。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
切り揃える前と同じぐらいの穂の長さを取り戻しました。
母もうれしそうにしていました(余談です)。

日頃からお客様に、「大切にお使い頂ければ、何十年もお使い頂けますよ」と説明していますが、実際に何十年も使用している箒に接する機会は少ないのが現状です。
こんなに身近なところで30年来の箒に出会うとは夢にも思ってなく、大切に使ってくれていた母に改めて感謝いたしました。

伊藤も編み込んだ箒が末永くご使用して頂けるよう、丈夫で使いやすい箒を提供したいと強く感じました。

今回は、箒を少しでも永く使って頂けるような豆知識を紹介させていただきました。