以前「ハンドブラシ販売決定!」「ほうき草プロジェクト育ちの箒、追加販売決定!」の記事でもご紹介しておりましたが、渥原が製作した箒が初めて販売されます。

年が明け、販売開始に向けて準備が進んでいます。

まずは弊社の工場直売店のみでの取り扱いとなりますが、この度ブランド名が決定しましたので、ご紹介します。

 ―その名は、「空(そら)」。

今回は、このブランドのデザインと売り場づくりを担当する営業企画課・川崎に、吾妻箒ブランド「空」ができるまでのことを聞きました。



営業企画課 川崎 裕美

2014年にアズマ工業へ入社。
アズマ工業製品のパッケージデザインや販促企画、ブランディング事業を担当している。
吾妻箒「空」のブランド立ち上げにあたり、デザイン担当として参画している。

川崎:最初に渥原から送られてきたいくつかの箒を見た時に、その色合いの美しさから、“雲に照り映える日の光”のようだと感じました。
ブランドとして発売するにあたり、はじめに受けたそのイメージを、そのまま名付けたいと思いました。

川崎:ほうき草を使った国内の箒の多くは黒や白、赤などの伝統的な色使いが多いですが、渥原はほうきを編んでアイデアを広げていくうちに、色彩にもこだわるようになったようです。

渥原:箒を編むときに使用するタコ糸は、買ったままだと白色です。
でも白だとなんだか締まらないので、いつもは黒色に染めます。

ただ、黒だと昔ながらの手編み箒になって…もちろんそれはそれでよいのですが、他の色でも作ってみたくなりました。

手芸屋さんをいくつか回ったり、インターネットで欲しい色がないか調べたりしましたが、なかなか見つかりません。
そこで布を染める染料を購入し、染めることにしました。 自分で染めれば、使いたい太さの糸を、染めたい色に染めることができるので、それがいいんです。
(「アイデアをプラスして 新しいものづくり 職人への道 2023(8)」より)

川崎:また、今回販売する箒に使われているのは地元・浜松産のほうき草です。

これは弊社の「ほうき草プロジェクト」で育てたもの。現在手編み箒の原料のほとんどはタイ、インドネシア、中国で栽培されています。同プロジェクトは、純国産の復活を目指して2016年に始まりました。
今回販売するのは、浜松産のほうき草を、渥原が仕立てて出来上がった、“純国産の箒”なのです。

その背景と、色合いから名付けた「空」のコンセプトとをかけ合わせ、それぞれの箒には美しい日本の空にちなんだ名前を付けることにしました。

夜明けから日暮れまで、移り変わる日の光のように、 明るく軽やかにあなたの暮らしに寄り添います。

川崎:販売場所である弊社の直売店では、「ほうき草プロジェクト」でほうき草を栽培している様子も知っていただけるような展示にしたいと検討しています。

直売店は静岡県浜松市にある弊社の本社の一角にあります。
1階の小さなスペースですが、ここ数年でリニューアルもして地元テレビに取り上げてもらうなど盛り上がっています。

訪れる方の多くは浜松市に住んでいらっしゃる方です。
現在のほうき草の生産地が主に海外であることにピンとくる方は少ないかもしれませんが、純国産の手編み箒というのは実は珍しいものです。地元で一から作られた箒を、一度手に取ってご覧いただけたら嬉しいですね。

もちろん遠方からはるばる来てくださる方もいらっしゃいますので、アズマの商品や取り組みを知っていただくきっかけになればうれしいです。


次回は販売予定の商品についてお届けします。