1月11日    今年のほうき草栽培にむけて   吾妻箒   

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


新しい年がスタートし、連休も明け、本来の生活リズムをようやく取り戻しております。
まだまだ寒い日が続きますが、早くも今年のほうき草栽培にむけて作戦を練り始めました。
今年で8年目を迎えるほうき草栽培、栽培方法にも改良を重ね、年々理想とする品質に近づいてはおります。しかし、毎年安定して同じ物が作れている訳ではございません。昨年の課題を生かし、新しいことへのチャレンジも必要と感じております。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
昨年、同じ畑で収穫された2本のほうき草の様子

上のほうき草が下のほうき草よりも一回り大きいことが写真でもお分かりになるかと思います。理想とする写真下のほうき草のサイズ感の物が多く収穫できるよう、栽培方法を工夫したい考えです。早速、農作物を小ぶりに作る方法を調べてみたところ、「密植栽培」という方法にたどりつきました。
密植栽培とは字の通り、農作物の株と株の間を密接に育てる栽培手法です。
密植栽培のメリットとデメリットを紹介します。

◆メリット

①農作物を小ぶりに育てることができる
株と株の間を近くすることで、栄養を分散させ、大きく元気に育ちすぎることを防ぎます。ただ、キャベツなど農作物の種類によっては、互いに共栄し大きく育つこともあるようです。

②雑草の抑制
農作物が密になることにより、雑草の生えるスペースが減少し、雑草への日当たりが悪くなることで、雑草の成長を抑制することができます。

③省スペース化・効率化
密に育てることにより、同じ収穫量でもコンパクトな畑(面積)で栽培することが可能です。また、作業範囲が狭くなるため、作業効率のアップも見込めます。

◆デメリット

①農作物が思うように生長しない可能性がある
メリット①の注意点でも記載しましたが、農作物によっては逆に大きく育ってしまったり、密になりすぎたことにより、理想とするサイズまで生長しない可能性もあります。

②病気や虫の発生リスク
密に栽培することにより風通しが悪くなり、農作物の病気や虫がついてしまう可能性があります。

以上が、農家の倉田様から教えていただいた情報や伊藤自身で調べてみたメリット・デメリットとなります。メリットばかりに気を取られ、全く収穫できないようなことになっては本末転倒です。

次回は、デメリットに対する対応方法を検討してまいりたいと思います。