先日出展させていただいた、「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」以降、手編み箒やハンドブラシを作成する日々が続いております(笑)。
本日は、作成した箒と箒作りへの思いをお話させて頂ければと思います。
こちらが、最近作成した箒です。
今までの箒作りは、師匠である箒と同じ形で編み上げ、軽くしなやかな箒を作りたいということだけを考え、取り組んできました。
今回、文化展に出展させて頂き、実際に箒を求められる方の声を聞くことで、これまでの自分の考え方に違和感を感じました。
理想の箒を求められる方は、それぞれがその箒像をお持ちで、軽さを求められているところは共通でも、掃き心地や穂のしなやかさといったところは違っていました。
そのため、実際に箒を手に取って、掃いてみて、「自分が探している箒」であるかどうかという点で判断されていました。
手編み箒は、毎回同じように編み上げていても、原料となるほうき草の長さや穂の太さ、使用する穂の量、穂をカットする位置の違いによって、それぞれ掃き心地が変わります。また、柄に使用する竹の太さ、長さによっても、手に取った際に感じる重さも変わってきます。
今までは、同じ大きさ、同じ掃き心地になるようにと、箒作りに取り組んでいましたが、理想の箒像は人それぞれ違うということに気づき、掃き心地の良さ、軽さは追及しつつ、ほうき草の長さ、太さに合わせ、少し小さめの箒や少し大きめの箒を作成しました。
文化展へ出展させていただいたことで、少しずつではありますが、自分が作成したい箒像が見えてきました。
「この箒を探していたんです!」と、いつか喜んでいただけるような箒を作れるよう、箒作りに取り組みたいと思います。