こんにちは、製造部 箒職人の渥原です。

新商品として、昨年より開発を進めている手編み箒があります。
本日はその商品の試作のためタイへ行ってきましたので、少し紹介させていただきます。

こちらが検討を進めている手編み箒です。

左:試作中の箒/右:既存の「手編みほうき 特撰 短柄」

一見、すでに発売している「手編みほうき 特撰 短柄」に見えると思います。 基本的な編み方は同じなのですが、現在検討を進めている箒は、ある特徴があります。

それは、玉(※)の結束に竹軸を使用していないという点です。

弊社で販売している手編み箒は、玉と柄を固定する際、竹軸で固定しております。 竹軸で固定することで、箒がしっかりし、掃いた際、面で掃くような掃き心地に仕上がります。

画像の赤線あたりに、竹軸が入っています

私が箒を担当してから5年ほど経過するのですが、その間、お客様より「軸を使用していない商品はありませんか?」というお問い合わせを数回いただきました。

当時は、箒の構造を理解していなかったこともあり具体的な構造案を出せず、申し訳ない気持ちで「ご紹介できる箒はありません」とお伝えしていたのを覚えています。

自分自身で手編み箒を編みはじめたことをきっかけに、竹軸がない箒を作れないか検討をはじめました。

弊社の手編み箒やカバー箒の製造を依頼しているタイの工場で、今回試作した商品がこちらです。

竹軸を使用しない箒は、掃いた際、柔らかな掃き心地に仕上がるのが特徴です。

柔らかな掃き心地で、しっかり掃けるよう耳の幅を大きくし、中に使う芯草の量も増やしてみました。
形はできましたが、ここからが重要です。

重くなってしまい、掃除をするときに手が疲れてしまうような箒では元も子もありません。
柔らかな掃き心地を活かした、特徴ある手編み箒に仕上げていきたいと思います。


※玉…手編み箒の各部位の名称。手編み箒は、玉と呼ばれるいくつかの束を編み込んだ上で、それらを一つに組みつけます。以下の画像でもご確認ください。