現在、ISAMI(株式会社イサミ)様発祥のブランド『reversal.dogi.design.works(以下、リバーサル)』様とコラボほうきの開発を進めています。
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製作するのは室内用の手編みほうき短柄とハンドブラシ。
今回より、開発の様子をお伝えしていきます。
最初の打ち合わせでは、「吾妻箒にはどんな商品があるのか」、「リバーサル様とアズマ工業ならどんなお取組みができるか」、「コラボレーションによりどんな可能性があるか」などお話していました。
その後、リバーサル様より届いたご希望のデザイン案の一つがこちらです!
今回は吾妻箒で取り扱っている座敷箒をベースとしたご提案を頂きました。
リバーサル様は様々なカルチャーを取り入れた商品開発を積極的に行われています。
デザイン案をいただいたとき、伝統を大切にされる姿勢を感じましたし、それと同時にこれまで考えつかなかった新しいカラーリングにとてもわくわくしました。
最も目を引いたのは「穂が黒いこと」です!
これまで当社で発売してきた座敷箒は、全てほうき草の色をそのまま使用しています。
黒い穂の箒といえば「黒シダ」の箒がありますが、それは外を掃くのに適した素材で、室内用の箒を製作するのには向きません。
そこで、まずはタイの生産先にほうき草を黒に染色できるか、試作を依頼しました。
黒色で染色したほうき草がこちらです。穂先はある程度黒く染色できていますが、茎の部分がどうしても染まりません。それぞれのほうき草で色がばらついている点も気になります。
次に、インドネシアの生産先をあたってみることに。
ちょうどほうき草を黒く染めたものを試作しており、しかも現地に出張する予定もあります。
なんといいタイミングでしょうか!
早速、現地とzoomでつなぎ、現状を確認してみることにしました。
こちらが、インドネシアの生産先で染色したほうき草です。
この黒さならいけるかもしれない!と高揚する気持ちを抑えながら確認を続けていくと、大きな問題にぶつかりました。
白い紙に擦り付けた際、色移りが発生してしまったのです。
大きな窯で煮沸しながら染色するため、ほうき草の表面には塗料が付着した状態で、擦り付けることで色移りしてしまうようです。
これでは、製品に使用することができません。
その後もほうき草の染色を色々試しましたが、どれもうまくいきませんでした。
やむを得ずリバーサル様にご連絡すると、ご担当者様より「通常のほうき草の色で進行します」とお返事をいただきました。
ご希望に添えず申し訳ない気持ちがこみ上げてきましたが、今回、ほうき草を黒く染色するという新たな挑戦に取り組むことができました。
また、ほうき草をなぜ現在の色で染色しているのか、その理由を改めて知る機会になりました。
リバーサル様より、ほうき草の元々の色を活かした刺繍糸の組み合わせを何パターンかご提示頂いておりますので、早速次の検討を開始します!
【reversal.dogi.design.works(リバーサル・ドーギ・デザイン・ワークス)について】
1932年創業、柔道衣・空手衣等の武道衣・武道具・トレーニング用品の開発販売で
世界的に知られる武道用品製造メーカー「ISAMI(株式会社イサミ)」発祥のアパレルブランドです。
武道・格闘技をベースコンセプトに様々なアートやカルチャーとクロスオーバーしたデザインを
展開するスポーツ・ミックス・アパレルとしてアクティブシーンからデイリーユースまで
オリジナリティを重視したアイテムを展開しています。
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