12月6日 様々な種類のほうき その⑥ 豆知識
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
連載で発信しております「様々な種類のほうき紹介」。今回は、庭掃除が得意な隠れた人気商品「葉脈ほうき」を紹介いたします。
弾くように張りのある掃き心地が魅力の「SY189職人箒庭園短柄」
円錐状に穂先が配置された「名匠168外苑ほうき」も人気です。
穂の原料はヤシの葉から抽出される葉脈です。
原料の主な生産地はインドネシアで、ヤシの葉から葉脈だけを取り出して作ります。葉脈ほうきは、「リディホーキ」や「ヤシバ箒」とも呼ばれ販売されております。
葉脈ほうきの掃き心地をお伝えすべく、試しに会社まわりの掃き掃除に使用してみました。
芝生に広がった落ち葉を掃除してみました。
穂の接地面に注目してみると、張りのある程よい太さの繊維が芝生の間に入り込み、面白いように落ち葉やゴミを掻き出している様子が分かります。掃き心地を文面では伝えきれないことが心苦しいのですが、例えるなら毛足の長い絨毯(じゅうたん)を大きなブラシで撫でているような心地良い感触です。
掃除前の様子
掃除後の様子
掃除前の様子では、芝生一面に落ち葉が広がってしまっております。言い訳のようになってしまいますが、伊藤の住む静岡県西部地区は、「遠州のからっ風」という言葉が存在するぐらい、冬場は強い風が吹きつけます。ものの半日程度で落ち葉が広がってしまうこともあるのですが、マメに掃除したいものです。
集めた落ち葉の様子
どうでしょうか。10分ほど掃き掃除をしただけですが、ご覧のような集塵力です。
こんなに落ち葉を貯め込んでしまい、自慢できることでもないかも知れませんが、この掃き心地は葉脈ほうきにしかない独特な感触です。
知名度こそ他の箒に比べ劣るかも知れませんが、葉脈ほうきを愛用しているユーザー様からは、「一度これを使ったら他の箒には戻れない」との有難いお言葉を頂戴することもございます。改めて今回、意識して使用してみると手前味噌ながらその言葉にも納得です。
今回は、知る人ぞ知る庭掃除のスペシャリスト「葉脈ほうき」を紹介させていただきました。ちなみに同じような用途としては竹を原料とした「竹ぼうき」も思い浮かびます。竹ぼうきは表面をなぞるように掃きますが、葉脈ほうきは梳きながら掃くので、芝生を掃くには葉脈ほうきがおすすめです。