12月2日 様々な種類のほうき その⑤ 豆知識
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
先日から配信している様々な種類のほうき紹介ですが、五回目の今回は、「赤シダほうき」を紹介させていただきます。
繊維が太く、コシが強い掃き心地が特徴の「赤シダほうき」
穂の原料は、パルミラと呼ばれるヤシ科の木から採取されます。
パルミラの主な産地はインド、スリランカで、自生しています。
こちらは、パルミラの「葉柄(ようへい)」と呼ばれる、葉と幹をつなぐ部分です。
この部分から取り出した繊維が赤シダ(穂の原料)となります。
葉柄を水に浸し柔らかくし、プレス機や石鎚で叩いて繊維をほぐします。
ほぐれた繊維を黒シダと同じ手法で精製していきます。
黒シダ同様に機械化が難しいため、手作業での作業となります。
精製後の様子
不純物が取り除かれ、太く力強い繊維のみが原料となります。
実際に原料から箒になる工程は、前回紹介した「黒シダほうき」と同様です。
コシの強い「赤シダ」は、デッキブラシの材料として使われることもあります。
赤シダほうきは、アスファルトの落ち葉や大きめなゴミの掃除を得意としています。
一般的な外まわりでの掃除で最も良く使われている箒で、当社が扱っている箒の中でも一番の販売実績があります。
価格帯も箒の中では一番安価ですので、今回紹介したような工程(繊維を取り出す作業の様子など)をお話しすると、思っていたよりも手間が掛かっていてびっくりしたと驚かれる方も多いです。
今回は、力強い掃き心地が特徴の赤シダほうきを紹介させていただきました。