11月25日 様々な種類のほうき その③ 豆知識
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
先日から配信している様々な種類のほうき紹介、三回目の今回は、玄関やベランダなどコンクリートのお掃除で大活躍の「黒シダほうき」を紹介いたします。
細く柔らかな穂が特徴の黒シダほうき
こちらは、ほうきよりもコシを持たせたブラシタイプ
花壇まわりや窓・ドア枠サッシのお掃除にもおすすめ。
黒シダほうき 穂の様子
黒シダほうきの穂は「黒シダ」や「ヒタムファイバー」と呼ばれ、アレンというヤシ科の木から採取される繊維が原料となります。
アレンの木に巻き付いている黒い繊維を取り除きます。
取り出された繊維の様子
この時点では、繊維の太い物や不純物が多く含まれています。収穫された繊維は、生け花に使う剣山(けんざん)のように突き出た釘に引っ掛けるようにしてほぐし、精製します。
精製作業の様子
細く強い繊維のみが残るまで根気強く、何度も釘を通し精製します。
精製後の様子
丁寧に精製され、残った繊維のみが箒やブラシの原料となります。原料となる繊維は収穫した繊維全体のおよそ30%前後しかありません。簡単に作られている箒に見えますが、柔らかく上質な繊維を取り出すには多くの手間が掛かっております。
精製された黒シダは写真のように長さごとにランク分けされ、用途に分けて使用されます。
このあと、ようやく箒を作る工程に入っていきますが、長くなってしまいそうなので今回はここまでとします。次回、黒シダを使った箒作りの様子を紹介いたします。