11月18日 様々な種類のほうき その② 豆知識
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
前回に引き続き今回も室内向けの箒を紹介いたします。今回は、やわらかな掃き心地が特徴の棕櫚(シュロ)ほうきをピックアップします。
原料はシュロという名前のヤシ科の木から抽出され、樹皮を精製することで中の繊維のみを取り出します。シュロの繊維は腐りにくく伸縮性も高いため、古くから縄やタワシの原料として親しまれてきました。
シュロの木
※出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AD)
繊維の様子
1本1本が細く柔らかいのですが、耐久性もあります。
棕櫚箒も前回紹介したほうき草の箒と同様に、大きく分けて2種類の形の箒に分類されます。
主に銅線を使用し、手作業で束ねた棕櫚箒
こちらは、箒職人:松永氏作成のほうき
こちらは、編み込まずに穂先だけを束ね加工した「カバーほうき」
また、手作業で束ねられた棕櫚箒の中で更に2種類に分類されます。
穂先のみをほぐし、コシを残した『皮』
繊維を1本1本ほぐし、柔らかい掃き心地の『鬼毛』
皮・鬼毛と双方特徴があり、好みやご使用環境に合わせてお選びいただけます。どちらも柔らかな掃き心地が特徴ですが、特に『鬼毛』は繊維1本1本になるまで細かく精製しているため他の箒では感じられないなめらかな掃き心地です。言葉では上手く表現できませんが、「もっちりとした、筆のような掃き心地?」です。
今回は、ヤシ科の植物シュロから作られる棕櫚箒を紹介させていただきました。